PCB = printed circuit boardとも言われる。
基盤じゃないよ、基板だよ。(基盤は「生活の基盤」など物事の土台のこと。)
初代beatmaniaシリーズにはDJ MAIN基板が採用されている。
稼働中に基板が変更されることはなかったため、全ての作品で同じ基板を使用している。
バージョン切り替えはEPROMとHDDの差し替えで行う。
beatmania IIIシリーズにはFirebeat基板が採用されている。
こちらも基板の変更はなく、バージョン切り替えはROM・CD・HDDの差し替えで行う。
DJ MAIN基板とは、コナミが開発したアーケードゲーム基板である。
沙羅曼蛇2などに使用されているSYSTEM-GX基板をベースにbeatmania向けにカスタマイズされている。
当時のアーケードゲーム基板としては珍しくIDEインターフェイスを装備しており、HDDが接続できるようになっている。また4chのサウンド出力端子、スクラッチ検出用の制御基板を接続するための8P8Cモジュラージャック、各種I/Oコネクタ、ゲームやコインの設定を行うためのディップスイッチが付いている。
ゲームソフトはHDDとEPROMのセットで配布される。
型番:GQ753
マザー:PWB(A5)0000060393
CPU : MC68EC020FG25 @ 25MHz ※beatmaniaでは8MHzで動作
カスタムチップ : 058143, 056832, 055555, 056766, 058141, KS10101
サウンド : 多チャンネル出力対応コナミカスタムサウンドチップ
画面解像度 : 512×384 ※beatmaniaでは出力488×384 58.0Hz
水平走査周波数 : 24.8kHz
譜面・音声データ : 2.5インチIDE HDD (pop'n musicでは3.5インチ IDE HDDが使用されており、ピッチ変換基板が付属する)
プログラム・グラフィックデータ : M27C4001 4M UV-EPROM x 10
※ beatmaniaシリーズには海外版(HipHopMania、beatstage)も含まれる。
スクラッチ検出用にサブIO基板が存在する。
これがない場合は基板にスクラッチの入力ができない。
ターンテーブルのセンサーへ5Vを供給し、センサーで検出した歯車の状態を5V/0Vで返す。
2つのセンサー値から回転方向・回転量を割り出し、現在の回転位置を0~255の絶対値で保持する。
検出の仕組みはこちらの記事が詳しい。
beatmaniaのターンテーブルの仕組みについて - 零環
DJ MAIN基板とは8P8Cのシールド付きケーブルで接続されている。
所謂STPのLANケーブルと同じ物。
DJ MAINとの通信はM66009FPチップによるSPI通信に似た信号でやりとりされる。
DJ MAIN基板からは1Fごとに、1P・2Pの回転位置を連続して問い合わせている。
この通信が約17.24ms間隔で行われていることからもこのゲームが58fpsで動作していることが分かる。
Firebeat(ファイヤービート)は、コナミ(後のコナミデジタルエンタテインメント→コナミアミューズメント)が開発したアーケードゲーム基板である。
pop'n music、beatmaniaIII、ParaParaParadise、KEYBOARDMANIAと、それぞれのゲームに特化できるように基板がコンポーネント化されている。
FirebeatはRTC(リアルタイムクロック)を維持する“RTC-65271”に電池(BR1225)2個を使用しており、電池が切れるとRTCが初期化され、停止し、ゲームが実行できなくなる。復旧するには電池交換後にメーカーへ電話してパスワードを発行してもらう必要があり、ユーザー側はこれ以外にRTCを再設定する方法は無い。電池切れを防ぐのに、放置せずになるべく電源投入をした方がいい。
※現在では修理サポート・パスワード発行は終了している。
RTCパスワードを発行できるプログラムが開発され、電池が切れても手軽に復旧できるようになった。 https://987123879113.github.io/firebeatrtc/ ソースコードはこちら https://github.com/987123879113/firebeatrtc
またシステム573基板(デジタルサウンド拡張基板増設型)にも、RTC-65271が組み込まれている。
beatmaniaIIIの基板について
コンパネ部分に内蔵されているI/Oシリアル基板。
beatmania IIIは他のシリーズと違い、鍵盤部分もシリアル変換してメイン基板へ接続される。
SPU基板、MAIN基板、EXTEND基板が使用されている。
スクラッチ構造は初代・IIDXがスリットとフォトセンサーなのに対して、IIIはマイクロエンコーダが使われているため、若干精度が向上している。